いよいよ3回シリーズ、最終回です♪
最終回3回目は、①「日によって所定労働時間が異なる労働者の取得時間の取扱い」②「年度の途中で所定労働時間が変更となる場合」について、厚生労働省の「子の看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A(2020年9月11日改定版)」(以下、「Q&A」)をもとに実務で押さえておきたいポイントをお伝えします。
1回目、2回目のコンテンツをおさらいしたい方は、下記をクリックください!
《Contents》
1回目 ①「子の看護・介護休暇の基本事項のおさらい」、②「対象者限定について(労使協定による)」https://okamisawa-sr.com/?p=205&preview=true
2回目①「”時間単位”の考え方」②「端数時間の処理方法」https://okamisawa-sr.com/?p=235&preview=true
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Q①.日によって所定労働時間が異なるシフト勤務のパートさんやアルバイトの方の「時間管理」はどのようにすればいいのでしょうか?
例えば、6時間の日と8時間の日があるなど、日によって勤務時間が異なるケースをイメージしてみましょう。
日によって所定労働時間数が異なる場合には、「1年間における1日の平均所定労働時間数」をもって、1日分の所定労働時間として取り扱うこととされています。(Q&A1問1-4)
【「1年間における1日の平均所定労働時間数」の計算例】
例)1年の総所定労働時間数が合計で1,715時間。 1,715時間÷245日=7時間(1日の平均所定労働時間数) (※このケースの人が、勤務時間8時間の日に6時間の休暇を取得すると、残りの休暇時間数は、 |
※なお、時間単位で看護・介護休暇を取得する場合は、休暇を取得した時間数の合計が1日の平均所定労働時間数に相当する時間数になるごとに「1日分」の休暇を取得したものと扱います。(Q&A問1-4、1-8)
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Q②.時短制度の利用等により、年度の途中で所定労働時間が変更となる場合は?
●時間単位で取得可能な看護・介護休暇の日数・時間数のうち、日単位に満たない時間数については、所定労働時間数の変動に比例して変更される。ただし、比例変更した場合に1時間に満たない端数が出る場合は、労働者にとって不利にならないよう、端数を切り上げた時間数として取り扱う。(Q&A問1-6)
【例】介護休暇が3日と3時間残っており、1日の所定労働時間数が8時間から5時間に変更したケースを考えてみましょう。 ●変更前の時間単位で取得可能な休暇日数・時間数は、⇒3日(3日×8時間)と3時間 ●変更後の時間単位で取得可能な休暇日数・時間数は、⇒3日(3日×5時間)と2時間(※) (※)「比例変更」とは?: 3時間×5/8=1.875時間→切上げて、2時間と計算する。 (1時間未満の端数は切り上げる) |
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ここまで、「日によって所定労働時間が異なる労働者の取得時間の取扱い」と「年度の途中で所定労働時間が変更となる場合」について、厚労省のQ&Aをもとにまとめてみました。
この他、休暇を無給の制度にしている場合は、賃金の欠勤控除についても注意が必要なので、最後に例を紹介します。
【例】 勤務時間が9:00~17:45(休憩12:00~13:00(1時間))の労働者が、16:45から終業時刻の17:45まで1時間の休暇取得の申し出をしたが、実際は、17:00~17:45までの1時間に満たない45分を休んだケースについて考えてみましょう。この場合は、 ●休暇の取得管理上は、1時間の休暇取得で処理してOK!●欠勤控除の計算は、実際に休んだ時間を超えて控除してはいけない!(Q&A問1-10) →このケースでは、労働者が休んだ45分ぶんの賃金控除となる。(賃金控除を1時間分とするのは×) |
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以上、3回にわけて、「子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得について」実務の留意点について整理してみました。
子の看護休暇・介護休暇の管理は、年次有給休暇の管理よりも時間管理が複雑ですね。
複数の勤務形態やシフトがある事業所については、手間がかかるなと感じました。
実務を担う人事労務担当の方が、悩むのがよくわかります。
このまとめが、労務管理を担当されている方の実務に役立てば何よりです。
何か不明点や他にお困りごとがあれば、気軽におかみさわ社会保険労務士事務所にお問い合わせください!
♪よければ、厚生労働省ののリンクも参考にしてみてくださいね♪
「子の看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000582061.pdf